2024年を象徴する曲と言っても過言ではないこっちのけんとさんの「はいよろこんで」
その中でも気になるのが、歌詞の中に出てくる「鳴らせ君の3~6マス」の意味ですよね。
これは「心拍の正常値」という意味なんです。
どういうこと?詳しく知りたい!
こっちのけんとさん本人が解説した動画から「鳴らせ君の3から6マス」「モールス信号:トントントンツーツーツートントン」という歌詞や音の意味、「歌詞全体に込めた意味」をまとめてみました。
- 「はいよろこんで」鳴らせ君の“3~6マス”の意味
「はいよろこんで」モールス信号:トントントンツーツーツートントンの意味 - 「はいよろこんで」にこっちのけんとが込めた思い
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鳴らせ君の“3~6マス”の意味
まずは、サビ前に出てくる“鳴らせ君の3から6マス”の「3~6マス」の意味。
これは、「人間の心拍の正常値」を表す比喩表現です。
そして歌詞の「鳴らせ君の3から6マス」と、印象的な「モールス信号」に込めた意味を総合すると、
この曲には、
「精神が壊れてしまいそうなほど苦しいなら、体が正常なうちにしっかりSOSを出していこうよ」
というメッセージ が込められています。
なぜ「3から6マス」が人間の心拍の正常値なの?
「3から6マス」の意味を深堀り
それでは、こっちのけんとさん本人が解説した内容をまとめてみますね。
【こっちのけんと 解説】
心拍の正常値は50から100BPMと言われております。
さらに一般的に心電図では送り速度25mm毎秒と決まっております。
1マスは5mm間隔。つまり3から6マスっていうのが人間でいう正常値ということですね。
参考:こっちのけんと公式Youtube【1000万回記念】MVに来たコメントが鋭いから発表します。【はいよろこんで】
健康診断の心電図検査などで、こういう紙が流れてきて線が記録されているのを見たことありますよね。
▼正常心電図
「3~6マス」とは、心拍の正常値(50~100BPM)を表す比喩表現ということを冒頭でご説明たと思います。
心電図の背景の方眼紙は1mm刻みで5mmごとに太い線になっているのですが、この5mmごとに1マスとカウントします。
縦の高さは電位の強さで心拍を表していますので、正常心拍数の50回~100回/1分(BPM)の値で心拍が計測された場合は、3~6マス以内に線が縦に振れることになります。
上記の図は3から6マス以内に線が縦に振れていますよね。
上記の図のように3~6マス以内に1回、線が縦に振れている状態を正常心電図といいます。
参考:https://www.kango-roo.com/learning/2173/
この意味を踏まえて「鳴らせ君の3から6マス」の本当の意味を知るには、その次に出てくるモールス信号“トントントン ツーツーツー トントン”「・・・ーーー・・・」の意味も紐解く必要がありそうです。
「はいよろこんで」モールス信号の意味は「SOS」
この曲の一番印象的なフレーズは、曲中に出てくる「・・・ーーー・・・」というモールス信号ですよね。
“トントントン ツーツーツー トントン”の意味は「SOS」
「SOS」は、国際的な遭難信号として広く知られています。
このモールス信号は、短点「トン(・)」と長点「ツー(-)」を組み合わせた「・・・ーーー・・・」という形で表現されます。
本来は船舶の遭難信号として使用されていましたが、現在ではあらゆる緊急時に「助けを求める」という普遍的な合図として使われています。
これらの意味を合わせて、歌詞の「鳴らせ君の3から6マス」とこのモールス信号には、
「精神が壊れてしまいそうなほど苦しいなら、体が正常なうちにしっかりSOSを出していこうよ」
というメッセージを曲に込めています。
このメッセージは、2022年12月にリリースされた楽曲「死ぬな!」ともつながっており、こっちのけんとさんの一貫したテーマといえますね。
この一貫したメッセージは、こっちのけんとさんが患った病気が背景にありました。
「はいよろこんで」に込めた思いと双極性障害の経験
こっちのけんとさんは、自身が「双極性障害」を患って苦しんでいました。
いわゆる「躁うつ病」で、テンションが高い時期があったかと思ったら、死にたいほど気分が落ちる時期があったりと、日常生活に支障をきたします。
こっちのけんとさんは、この曲を作った経緯として、
我ながら未だにうつ病や躁鬱が理解できず「どこからが”病”なのか」「どこまでが”優しさ”や”我慢”なのか」を見失う毎日のため、日々SOSを出す癖をつけたいと思い制作いたしました。
と説明されています。
「性格的に生きやすく生きようと思っても出来ない人間なので、自分を含めて、そういう人の救いになれていたら嬉しい」
とも、話していました。
「鳴らせ君の3から6マス」やモールス信号の本当の意味は、こっちのけんとさんが経験した苦しみが背景にありました。
同じ境遇にある人達に向けた優しいメッセージだったんですね。
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なぜ「はいよろこんで」が話題に?
「はいよろこんで」は、複数の要因が重なり合って大きな話題となりました。
何が人気を後押ししているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
「はいよろこんで」の昭和感あふれるMVの斬新さ
「はいよろこんで」のミュージックビデオ(MV)は、「かねひさ和哉」さんという昭和テイストの動画制作で有名なクリエイターが手がけています。
まるで昭和時代にタイムスリップしたかのような世界観が、視聴者の心を掴んでいますよね。
現代のデジタル社会に慣れた若い世代にとって、このレトロな雰囲気は新鮮で魅力的に映るのでしょう。
また、親世代にとっては懐かしさを感じさせる要素となり、幅広い年齢層に訴求しています。
こっちのけんとさんは、一番身近な憂鬱は「月曜日の前の日」であり、俗に言う「サザエさん症候群」ではないかと考え、この「かねひさ和哉」さんにMVを依頼したと言います。
日曜日の夕方から夜にかけて、翌日からの仕事や学校のことを考えて憂鬱になる現象を指します。
この名前は、日曜日の夕方に放送されるアニメ『サザエさん』が由来です。
「かねひさ和哉」さんの昭和テイストのアニメが、サザエさんのエンディングを見ているようですよね。
深いメッセージ性
表面的には明るく楽しげな曲調ですが、その歌詞には現代社会の生きづらさや、メンタルヘルスの重要性といった深いテーマが込められています。
このギャップが、多くのリスナー、特に若い世代の共感を呼んでいます。自分の感情をうまく表現できない人々にとって、この曲は自分の気持ちを代弁してくれるものとなっているのかもしれません。
SNSでの二次創作の広がり
TikTokを中心に、この曲を使った動画が多数投稿されています。
特に、こっちのけんとさん本人も多数投稿している、MVの中のダンスを再現した「踊ってみた」動画や、モールス信号部分を別の動画につなげる編集動画などが人気を集めています。
こうした視聴者参加型のコンテンツが、楽曲の認知度をさらに高め、より多くの人々に楽曲を届ける役割を果たしています。
「はいよろこんで」モールス信号と“3から6マス”の意味は?本人解説の理由が深い まとめ
「はいよろこんで」の成功は、兄の名声に頼ることなく独自の音楽性と表現力で自身のキャリアを築いてきた、こっちのけんとさんの才能と努力が実を結んだ結果と言えますね。
何だかグッときます。
この他にも、こっちのけんとさんが楽曲に込めた思いや仕掛けなどが沢山あるようです。
考えることが好きな方は、じっくり考察してみるのも楽しいですね。
▼世界中で大バズリの「はいよろこんで」英語バージョンもアップされました
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