【韓国】K-POPで謹弔花輪を抗議に使う文化はいつから？BTSでは日常風景で昔は卵投げつけ？

RIIZEのスンハンさんの電撃復帰、2日あまりでの脱退という異例の事態の中で、物議を醸しているのが、ファンがスンハンさんの復帰に反発して抗議する謹弔花輪を事務所に送り付けた件。

葬式用の花輪を用いるなど、日本人の価値観からすると到底信じられない抗議の仕方なのですが、韓国K-POPの文化では日常茶飯事となっているようです。

この「抗議のために謹弔花輪を使う」文化は、韓国にいつからあるものなのでしょうか。

この記事では、K-POPで抗議に花輪が使われていた歴史を調べてみました。

K-POPで謹弔花輪を抗議に使う文化はいつから？

韓国における花輪を用いた抗議活動は、最近のK-POPアイドルに関連する騒動の中で特に注目されています。

政治家への抗議ではもっと前から使われていたようですが、2024年10月11日に発表されたのRIIZEスンハンさんの復帰に対して抗議に使われた事例が記憶に新しいですよね。

ファンがSMエンターテインメント社屋前に抗議のための花輪を送りつけるという行動は日本人の我々から見ると、非常に過激に感じますよね。

出典：X

K-POPで謹弔花輪を抗議に使う文化は15～16年ほど前から

このような形式の抗議は最近増加している傾向がありますが、具体的な起源や歴史的背景については明確な情報は見当たりません。

K-POP文化に詳しい人の肌感覚だと、謹弔花輪を抗議に使う文化はここ15～16年前くらいにはあったと言われています。

2009年に元2PM(ツーピーエム)パク・ジェボムに謹弔花輪で抗議

2008年9月にデビューした“野獣アイドル”として注目された2PM(ツーピーエム)。

そのグループのリーダーを務めていたパク・ジェボムさんは2009年秋、SNS上でデビュー前にある問題発言をしていたことが発覚して韓国のファン達の怒りを買ってしまい、騒動を終結させるために責任を取って2PMを脱退する事に。

米国育ちで高校時代に韓国に来たパク・ジェボムさんは、韓国に馴染めずに米国の友人に「韓国生活の愚痴やホームシックに陥っていること」などをSNSでやり取りしていました。

それを見た韓国ファンから「韓国をバカにしている」「アメリカに帰れ」などと批判を浴び、当時の所属事務所であるJYPエンターテインメントに抗議の謹弔花輪が届き、社屋前ではファンによる抗議集会が起こったとのこと。

時が過ぎれば何でも笑えるんだなぁと思った話#パク・ジェボム #2PM#PeakTime https://t.co/SIoOGeIxV5 pic.twitter.com/Usc5FOXoLb

— 🐈‍⬛ ͗ ͗ ͗🐈 ͗ ͗ (@onedoor_rico) April 17, 2023

2PMを脱退したジェボムさんは、アメリカへ帰りました。

後日談で「正直ほっとした。またイチからやり直せばいい。プレッシャーもないし、どう思われているか考えることから解放された」と本人は語っていましたが、ここでもファンの抗議が1人のアーティストの人生を変えています。

ファンとアーティストの関係性が、日本では考えられないほど韓国では密接で激しいものだと感じます。

ということで、少なくとも、15年前には抗議の際に謹弔花輪を使用する文化はあったようです。

なぜ「花輪」が選ばれるのか？

抗議に花輪を使うのは、以下の理由からだと言われています。

• 皮肉と悲壮感：本来は弔事で用いられる花輪を送ることで、抗議対象に対する象徴的な「終焉」や「失望」を暗示します。
  過去には、政治家への抗議に使用して「社会的な死」を表していたという説も。
  
• 目立つ手法：大きく飾られた花輪は視覚的なインパクトが強く、事務所や世間に強い印象を残し、SNS社会の現代で抗議の意思を拡散するのに相性が良いという理由。
  
• 伝統文化との結びつき：韓国では古くから慶弔の場で花輪が贈られる習慣があるため、その応用として抗議の場でも自然に取り入れられています。

BTS NewJeans所属事務所HYBEに対しての謹弔花輪抗議

直近だと、BTSやNewJeansが所属する芸能事務所「HYBE」に対して、ファンから謹弔花輪を使った抗議デモが行われました。

2024年5月3日　ミンヒジン氏とのお家騒動への抗議

2024年に勃発した、HYBEとNewJeans所属会社「ADOR」元代表ミンヒジン氏の背任疑惑騒動。

その騒動の中でHYBE側は、「ミンヒジンがBTSが兵役に行く事が嬉しいと発言していた」など、BTSファンがミンヒジン氏に敵意を持つように論争合戦を仕向けてきました。

そのHYBEの対応に対して、BTSファンは抗議の花輪を送りました。

花輪に書かれているメッセージは、

「開国功臣のデマ放置、HYBEは責務遺棄」
「品ぞろえのみ大企業の空き缶」
「必要な時は私たち、BTSが不利な時は銃弾受けに使う」

など、HYBEに対しての不満が書き連ねています。

2024年8月13日　BTSシュガに脱退を求めるの抗議

泥酔状態で電動スクーターを運転していた容疑がもたれているBTSのSUGA（シュガ）さんに対して、脱退を求めるファンがHYBE社屋前に「謹弔花輪」を送りつけて、抗議の意思を示しました。

花輪には、

「ミン・ユンギ(SUGAの本名)脱退しろ」
「お前の墜落を祝う」
「なんの近況を社会面ニュースで教えるんだ」
「ファンに申し訳なくないのか」
「ミン・ユンギ脱退でファンに謝れ」
「私たちの手を離したのはお前」
「Ｘ売れたからフォトライン立つ前にミン・ユンギ脱退しろ」

などと、 SUGAさんのBTS脱退を求めるメッセージが書かれた花輪が、約20基ほど届けられたとのこと。

この時の花輪デモは「ＡＲＭＹ」（ＢＴＳファンダム名）全体の意見を代表するものではなく、SUGAさんの脱退を求める個人のファンが集まって、有志で花輪を出したということが分かっています。

韓国の花輪の種類・値段は？

韓国には、下記の2種類の花輪があります。

左の鮮やかなものがお祝い用、右の白黒の物が葬式用です。

抗議には、葬式用が一般的に使われています。

大体1基の値段は1万円～3万円くらいで作成してくれるようです。

ちなみに、上記のBTSのSUGAさんへ脱退を求める抗議に使われていた花輪は、色鮮やかなお祝い用です。

これは「血中アルコール濃度、歴代1位おめでとう」という皮肉の意味が込められていたとか、いないとか。

東方神起時代は卵を投げつけていた？

また、K-POPを長年追っている方の記憶だと、東方神起の時代(2000年)は、抗議に生卵が使われていたとか。

社屋に投げつけて抗議の意思を示していたというので、その時期から比べたら、この葬式用花輪での抗議の方法は、かなりまともになったとも考えられるかもしれませんね。

【韓国】K-POPで謹弔花輪を抗議に使う文化はいつから？BTSでは日常風景で昔は卵投げつけ？ まとめ

どこを切り取っても、なかなか日本人の価値観には馴染みにくい抗議スタイルですが、誰かを必要以上に傷つけないことを祈りたいですね。